印堂 丈一郎の不可解な生活
「だが」

お爺ちゃんが口を挟んだ。

「滅びの五人以外に、ゾンビやグールといった不死者が徘徊し始めた理由が説明できない。そして調息使いの先人達は、いつ現れるともしれぬ滅びの五人に備え、調息法の技術を連綿と受け継いできたのだ」

もしかしたらこの世界には出現しないかもしれない。

そんな存在に対して危機感を薄らげる事なく、調息使い達は厳しい修行を続けてきたの。

治において乱を忘れず、って奴かしら。

調息使いの先人達も、お爺ちゃんも、決して楽観はしなかった。

有事に備えて、ずっと調息法を磨き続けてきた。

< 58 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop