印堂 丈一郎の不可解な生活
「……」

無言のまま、丈一郎と私を見比べる咢。

…何だろう、視線が鋭い。

「そうか…俺の方が兄弟子という事になるが…まぁその辺りの事は気にしない。よろしく頼む、丈一郎」

「おう」

丈一郎と握手を交わす咢。

そして直後。

「!!?」

瞬時に背中の刀を抜刀し、咢はその切っ先を私の鼻先に突き付けた!

「調息伝導率100パーセントの特殊な金属で鍛えられた銘刀だ。例え化け物の硬質な皮膚でも容易く切り裂く。致命傷は免れんぞ」

「え…な…」

咢は何を言っているのか。

何故私が彼に刃を向けられなければならないのか。

まるで状況が理解できない。

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