Ladies first ーレディーファーストー
「ば、バイト!?」
「そうそう。
あ、俺の名前は、西園寺ラト。
君の名前は?」
「た、小鳥遊花音…ですけど…」
「よろしくね。」
「はい…って、そうじゃなくて!!」
バイトって、どういうこと!?
しかも俺の経営するホストって…
「わ、私正真正銘の女ですけど…。
ていうかあなた歳は!?」
この人、どう見ても高校生くらいに見えるのに…
「高3の17だよ」
わ、私の一つ年上…。
「あ、ちなみに俺の経営するホストっていうのは、Ladies firstだよ。
聞いたことない?」
Ladies first…。
確か、市内で有名なホストクラブの名前だ。
…え、まさか…
「俺は、Ladies firstの二代目オーナーだ」
「えぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇ!?!?」
高校生が、ホストクラブの二代目オーナー!?
「な、なななななんで高校生が!?」
「…ちょっと、いろいろあってね」
ラトさんは、そういってとても悲しそうな表情を見せた。
けれどすぐに笑顔に戻って、
「とりあえず、このまま雨に打たれていると風邪引いちゃうから、クラブに行こう」
と、私の手を握って歩き出した。
「え、ちょっ…」
私、家に帰りたいんですけど!?
…そう言いたいのに、ラトさんの表情を見て、何も言えなくなってしまった。
「さあ、どうぞ入って」
連れて来られたのは、Ladies firstと書かれた建物。
レトロな感じで、何故か木で作られている。
なんだか普通のホストクラブとは違う。
喫茶店みたいだ。
「この建物、女性が入りやすいように落ち着いた雰囲気にしてるんだよ」
「へー…」
確かに、それなら入りやすいかも。
中に入ると、扉にベルがついているからか、チリンという音が鳴った。
店内は所々にテーブルやイスが置かれてある。
「ラトおかえり」
ふと、後ろからこれが聞こえた。
振り返ると、そこにはラトさんにそっくりな男の人…
「ラト、お前右の手首どうしたんだ!?」
その人の言葉に驚いてラトさんの右手首を見てみると、驚くほど赤く腫れ上がっていた。
「ああ、たいしたことないよ。
ちょっとどうかしただけだから」
いや、明らかにちょっとやそっとの問題じゃないよね!?
ああぁぁぁぁぁ、どうしよう!?!?
「ら、ラトさんごめんなさい!!」
「謝らないでって言ったでしょ?
俺は大丈夫だから」
そう言って微笑むラトさん。
不覚にも、かっこいいと思ってしまう。
そんなこと思っている場合じゃ、ないのに…。
「…おいお前」
いきなり、ラトさんにそっくりな人が私の腕を引っ張る。
「お前、ラトに何かしたのか!?」
「おいライ、やめるんだ!!!」
私の襟に掴みかかる男の人を、ラトさんは慌てて引き剥がす。
「ライ、この怪我はこのこのせいじゃない。俺の不注意なんだ。」
「不注意…?」
「そうそう。
あ、俺の名前は、西園寺ラト。
君の名前は?」
「た、小鳥遊花音…ですけど…」
「よろしくね。」
「はい…って、そうじゃなくて!!」
バイトって、どういうこと!?
しかも俺の経営するホストって…
「わ、私正真正銘の女ですけど…。
ていうかあなた歳は!?」
この人、どう見ても高校生くらいに見えるのに…
「高3の17だよ」
わ、私の一つ年上…。
「あ、ちなみに俺の経営するホストっていうのは、Ladies firstだよ。
聞いたことない?」
Ladies first…。
確か、市内で有名なホストクラブの名前だ。
…え、まさか…
「俺は、Ladies firstの二代目オーナーだ」
「えぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇ!?!?」
高校生が、ホストクラブの二代目オーナー!?
「な、なななななんで高校生が!?」
「…ちょっと、いろいろあってね」
ラトさんは、そういってとても悲しそうな表情を見せた。
けれどすぐに笑顔に戻って、
「とりあえず、このまま雨に打たれていると風邪引いちゃうから、クラブに行こう」
と、私の手を握って歩き出した。
「え、ちょっ…」
私、家に帰りたいんですけど!?
…そう言いたいのに、ラトさんの表情を見て、何も言えなくなってしまった。
「さあ、どうぞ入って」
連れて来られたのは、Ladies firstと書かれた建物。
レトロな感じで、何故か木で作られている。
なんだか普通のホストクラブとは違う。
喫茶店みたいだ。
「この建物、女性が入りやすいように落ち着いた雰囲気にしてるんだよ」
「へー…」
確かに、それなら入りやすいかも。
中に入ると、扉にベルがついているからか、チリンという音が鳴った。
店内は所々にテーブルやイスが置かれてある。
「ラトおかえり」
ふと、後ろからこれが聞こえた。
振り返ると、そこにはラトさんにそっくりな男の人…
「ラト、お前右の手首どうしたんだ!?」
その人の言葉に驚いてラトさんの右手首を見てみると、驚くほど赤く腫れ上がっていた。
「ああ、たいしたことないよ。
ちょっとどうかしただけだから」
いや、明らかにちょっとやそっとの問題じゃないよね!?
ああぁぁぁぁぁ、どうしよう!?!?
「ら、ラトさんごめんなさい!!」
「謝らないでって言ったでしょ?
俺は大丈夫だから」
そう言って微笑むラトさん。
不覚にも、かっこいいと思ってしまう。
そんなこと思っている場合じゃ、ないのに…。
「…おいお前」
いきなり、ラトさんにそっくりな人が私の腕を引っ張る。
「お前、ラトに何かしたのか!?」
「おいライ、やめるんだ!!!」
私の襟に掴みかかる男の人を、ラトさんは慌てて引き剥がす。
「ライ、この怪我はこのこのせいじゃない。俺の不注意なんだ。」
「不注意…?」