白い鳩

「なんで、運ぶこととか考えないで描いちゃうかなあ。」

呆れたように、困ったような顔で、でも前を見たままの横顔に言われてしまった。

「もともと学校に持って行くって決めてた訳じゃないもの。」


結局、運ぼうと思っていた私の絵は車に乗せることが出来ず、私だけ、私と皐だけを乗せた車が学校に向かっていた。

朝、運転しているときの皐を見ていると、洗いたての柔らかそうな髪とデッサンしたくなるぐらい整った顔のつくりが太陽の光を浴びていて、切り取って、大事に飾っておきたくなる。

「ん?どうしたの、そんなにみつめて」

だけど、そんなことは言ってもどうにもならないので

「別に。」

絶対に言わない。











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