白い鳩







3年生の学期終わり、私は成績表を見て自分を心底恨んだ。

「碧、単位どれぐらい取れてた?大丈夫?」

大学で学年も学科も一緒で、なんだかんだ私の面倒を見てくれている桜にそう聞かれたが

「え?なに?あの出席率で取れてると思う?」
卒業までに、必要な単位が、必修を除き半分より少し多いぐらいしかなかったのだ。
もう3年生が終わろうとしているのに・・・。

「必修はね、私が代わりに出席取ってあげれるけど・・・。他の授業ぐらい頑張りなよ。」

「2年生のときは必修しか取れてなかったから、それよりは成長したよ、うん。」

「ちょっと、見せてみなさい!」

PCで確認しているのを無理やり見られてしまった。

「・・・。必修以外も私が出席取ってあげた授業しか単位取れてないよね、これ。」

「そ、そんなことない。」

「そんなことあるーーーーー!!来年は私、ほとんど授業ないからね、自分でがんばりなね。」

「だめだ、留年が見えてきた。」


わたしがPCを見ながら、頭を抱えていると、




「碧!桜!私、留年しない!」

そう元気に言いながら駆け寄って来たのは、梨沙である。

「おーよかったね。」

「建築学科は出席も提出物も多くて大変そうだよね。」

「でも、みんなと一緒に4年生になれるー!」


梨沙とは学科は違うが、大学に入ってすぐぐらいから一緒にいるのでもう3年近く仲が良い。


「それに、ほとんど選択科目も取り終えたし来年度は卒業制作に専念出来そう。」



私たちの大学は4年生になると卒業制作を1年かけて造り、それが4年間の集大成として認められれば大学を修学となるのだ。


「碧、どうするの、選択授業の単位取るだけでも大変になりそうなのにね。」

「そうなの?わたしも少し残ってるから出席代わりに取れるような授業を一緒に受けよう。」

「ありがとう、梨沙。がんばる、4年で卒業したい・・・。」

「それ、一緒に受けるって言わないよね。」












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