立花課長は今日も不機嫌
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送り届けてもらった部屋に入ると、ムワッとした空気に急いで窓を開ける。
もうとっくに走り去ったというのに、立花さんの車の行った方を見つめて、なぜか出る溜息。
しかも、なんだか胸の奥が落ち着かない。
少し前に立花さんがくれたメモの存在を思い出して、フローリングにペタンと腰を下ろしバッグを漁る。
確か……ここに入れたはず……。
――あった。
小さく折りたたんだ紙を見つけて開くと、美しい数字が並んでいるのを見てトクンと胸が弾む。
何度見ても綺麗な字だ。
立花さんは自分のためだと言っていたけれど……。