立花課長は今日も不機嫌
でもだからといって、社内ではほとんど接点のない立花さんが、バニーガールなんていう格好をしている私の変貌ぶりに気付くとは思えない。
話したことも、入社してから今まで片手で数えられるほどだ。
ということを合わせてみると、やっぱり気付いているとは思えないという結論に至ってしまう。
……ということは、立花さんって相当性格が悪い……?
初対面(敢えて、そう思いたい)の人、しかも自分より明らかに弱い立場の女の子に向かって、平然とキツイことが言えるのだから。
とは言っても、人の未来を変える決定権を持つとも言える人事部の職務を全うするくらいなのだから、優しくてはやっていけないとも思える。
むしろ、性格が悪いくらいじゃないと、無慈悲な人事異動だって通達できない。
そんなことを考えながら、また怒られては適わないと、急いで水割りを作ったのだった。
それからしばらくして始まったショータイムも、立花さんは眉ひとつ動かさない表情のまま。
多分ひきつっているに違いない笑顔を向けてみても、その頬が1ミリだって緩むこともなく
ビクビクしながら足を高く振り上げて踊る私を優雅に足を組んだまま、渋い表情でじっと観察し続けたのだった。