立花課長は今日も不機嫌
「――や、やめてくださいってば。そんなことあるわけないじゃないですか」
「あらぁ、それじゃ、あんなところで何してたの?」
からかう目つきで探る。
何もなかったのは事実なのに、なぜか頬が熱くなる。
「きゃーっ、杏奈ちゃんってば照れちゃって可愛い」
ツンツンと頬を突かれて、恥ずかしさに目を逸らした。
良樹さんってば、人が悪い。
逸らした視線の先には、立花さんの寝姿が。
なんだかちょっと苦しそうに見える。
ベッド脇に跪き、その首元に手を伸ばす。
ネクタイに手を掛けると、少し緩めてあげた。