立花課長は今日も不機嫌
「それじゃ、杏奈ちゃん、あとはよろしくね」
「えっ……」
よろしくって?
「私、お店に戻らなくちゃならないし」
「それじゃ、私も帰ります」
「あらやだっ、杏奈ちゃん、そんなこと言わずに海人に付き添ってあげててくれない?」
腰を浮かせかけた私に待ったを掛ける。
「え、でも……」
ただ寝てるだけならば、私がここにいる必要性はあまり……。
「目が覚めたときに、“ここはどこ!?”ってパニックになっちゃうでしょ?」
自分の部屋なのだから、それはないと思う。
「とにかく、海人が寂しがるからいてあげてちょうだい。ね? 頼んだわよ?」