立花課長は今日も不機嫌
冷たくて厳しくて、一寸の隙さえ見せない男の人。
そう思っていた立花さんの意外な一面が、私の想いを更に大きくさせる。
それを持て余してしまいそうで、処理に困った。
「そういえば、まだあったか」
立花さんがおもむろに立ち上がる。
どこへ行くのかと、その背中を目で追うと、立花さんは冷蔵庫を開けて、中から何かを取り出して戻った。
「食べるか?」
出されたのは、コンビニで売っているプリンで、ご丁寧に使い捨てのスプーンまで付けてくれた。
「美容に良くないとかいうのなら、無理にとは言わないが」
「いえっ、戴きます」
取り返されそうになったプリンを死守する。