立花課長は今日も不機嫌
「付き合ってるの?」
「――まさか」
慌てて否定する。
「でも、杏奈は好きなんだよね?」
「――っ」
強烈なストレートパンチをお見舞いされた気分だった。
そう思われているかもしれないと思ってはいたものの、まさかこんなに早い段階で聞かれるとは予想もしていなくて、言葉に詰まってしまう。
でも、私の反応で沙月はすべてを悟ったらしい。
「やっぱりそうだったのね」
両腕を胸の前で組んで、ふむふむといった具合に頷いた。
「でも、いつから?」
「……いつ?」