立花課長は今日も不機嫌
見つけた名前にもう一度ドキッとしながら、今度は受話器を上げた。
コール1回。
すぐに出た立花さんは、画面表示から私だと分かったらしい。
「あの、佐――」
『3階の第2ミーティングルームに来るように』
私が名乗るより早くそう告げると、息もつかせぬスピードで電話が切られた。
え……?
ミーティングルームに来いって言ったんだよね?
ツーツーツーという音が響く受話器を握りしめたまま反芻する。
ノロマな頭の回転速度は、そう簡単に上がるものじゃない。
一呼吸以上おいてからようやく納得して、席を立った。