立花課長は今日も不機嫌
立花さんは自分のためだと言ってるけれど、お金まで用意させるようなことになってしまったのだから。
「立花さん、」
意を決して立花さんを見たものの
「何度も言わせるな。これは受け取っておけ」
そう言うなり、立ち上がった立花さんが私へ封筒を突き出す。
「ちょっと待ってください」
「来客の時間だ」
腕時計で時間を確認すると、私の話を一切シャットアウトしてミーティングルームのドアを開けた。
「立花さん!」
追いかけようと、封筒を持って慌てて立ち上がる。
けれど、一度閉まったドアを開けた時には、立花さんの姿は既に見当たらなかったのだった。