立花課長は今日も不機嫌
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「……んな! 杏奈ってば起きて!」
身体を揺り動かされる感覚と私を呼ぶ声に、重い瞼をこじ開ける。
ゆっくり焦点が合うと、そこには霧子さんがーーーー。
ハッとして身体を起こす。
夕べ、あのまま眠ってしまったらしい。
霧子さんの眠るベッドに突っ伏していたせいで、身体のあちこちが痛かった。
「身体の方はどうですか?」
「これのおかげかしら。すっかり調子がいいみたい」
点滴が刺さったままの左腕を持ち上げて、霧子さんが笑った。
よかった。
顔色も良さそうだし、笑顔もいつも通りだ。
「それより、ほんとごめんね。こんなところまで付き合せちゃって」