立花課長は今日も不機嫌
「いえ、大丈夫ですから」
――って、今何時だろう⁉︎
明るくなった病室内に、遅ればせながら朝が来たことを思い知らされた。
確認した腕時計は、もうすぐ6時になるところだった。
急いでアパートに帰って、シャワーを浴びなければ遅刻だ。
「すみません、霧子さん、私、仕事があるので」
「うん、分かってる。私のことなら心配しなくても大丈夫だから。本当にありがとうね」
寝たまま手を振る霧子さんに見送られ、大急ぎで病院を飛び出した。