立花課長は今日も不機嫌
私の言葉を最後まで待たずに、電話が切られてしまった。
あとで時間を取ってもらえるようお願いしようとしたのだけれど。
……立花さん、機嫌でも悪い?
素っ気なさに拍車がかかってる気がする。
首を傾げつつ、言われるまま受付へと向かった。
エレベーターの扉が開くと同時に、聞き覚えのある声が聞こえた気がして、一瞬ギクリとする。
でもそれは、今この場所で聞こえてはいけない声だ。
……まさか。
そんなはずがない。
こんなところにいるはずがないのだから。
嫌な予感を適当にあしらいつつ、足を速めた。