立花課長は今日も不機嫌

けれど、受付に近づくにつれ、その声は賑やかさを増して、嫌な予感が確信へと変わっていく。


……嘘。
どうして……?


違っていてほしいという強い願いは、通路の角を曲がって受付が見えたところで儚く消えたのだった。


「杏奈! いやね、あんまり待たせないでちょうだいよ」


私の姿を見つけるなり、二人が駆け寄ってくる。

受付嬢に頭を下げ、ひとまず二人を人目につかないところまで引っ張った。


「……どうしてここに?」

「昨日、杏奈のところにでも遊びに行こうって、父さんと急に思い立ってね」


大きく頷き合いながら、二人が私を見る。
田舎の両親だったのだ。


〝死んでいるはずの”両親だ--。

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