立花課長は今日も不機嫌

③思いがけない情報は突然に



「そんなに落ち込んで、一体どうしたの? ほら、これ食べて元気出しなさいな」


大皿から取り分けたエビチリを母が私の前へと置いた。

昼間交わした約束の通り、両親と3人で中華料理店へ来ていたのだった。


お昼は食べずじまい。
けれど、お腹が空くわけでもなかった。

というより、実際には空いているのかもしれないけれど、空腹にかまっている場合じゃなかった。


バニーちゃん発覚以前の立花さんに戻ったような、厳しい顔。
素っ気ない態度。

昼間の立花さんとのやり取りを思い出して、胸が苦しくて仕方がなかった。


やっと近づけたと思ったのに。
完全に嫌われたに違いない。


……もともと好かれているわけではないけれど。
少なくとも、以前より近づけていたのに。

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