立花課長は今日も不機嫌
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分厚い封筒を握り締め、立花さんの部屋の前に立つ。
肩を上下させるほど大きく深呼吸し、それでも収まることのない緊張感の中、インターフォンを押した。
『はい』
低い声、短すぎる応答が更に緊張を加速させる。
「あのっ、佐伯です」
前のめりになりながら名乗りを上げてみたものの、今度は何も応答がない。
けれど切られた様子もない。
無言の圧力に押しつぶされそうになりながらも、ぐっと堪える。
ここで引いていては元も子もない。
勇気を振り絞って口を開いた。
「立花さん、」
『何の用だ』