立花課長は今日も不機嫌
「お返ししたいものが……」
再びの無言が訪れる。
立花さんの返答を待っている時間が果てしなく長くて、気まで遠くなりそうだった。
それからしばらくして、開錠される音と共にドアが開いた。
明らかに漂う拒絶感。
立花さんは、表情筋をひとつも動かさないまま私を冷たく見下ろした。
「……これを……」
恐る恐る封筒を差し出す。
立花さんはそれを一瞥して受け取ると、もう一度私を見た。
射抜かれてしまうんじゃないかと思うほどの鋭い視線に、鼓動が嫌な音を立てる。
「……怒ってます……よね……?」
恐怖の合間をかいくぐり、小さな小さな声で問いかける。