立花課長は今日も不機嫌
「……別に」
立花さんはぶっきら棒に答えた。
別にって……。
怒っていないようにはとても思えない。
会社でも“最低の女だ”と言われたばかりだ。
確かにその通り。
自分でもそう思う。
「佐伯がどんな女だろうと、俺には関係ない」
「えっ……」
関係ない……?
愕然とする言い方だった。
「だから気にするな」
口は笑っているのに、目が笑ってない。
立花さんは冷たい笑顔を私に向けた。