立花課長は今日も不機嫌
私たちは恋人でも何でもない。
何も始まってすらいないけれど、終わったように思えた瞬間だった。
その関係性に敢えて名前を付けるなら、会社の同僚。
立花さんにとっては、私との関係なんて手に取るに値するものじゃない。
ここ最近、近づけたと勝手に浮かれていたのは私だけなのだ。
立花さんの言葉を借りれば、まさに勘違い。
怒ってると言われた方がずっとよかった。
関係ないだなんて……。
存在も認めてもらえないくらいなら、嫌われた方がましだった。
立花さんとの距離が好きになる以前より、ずっとずっと遠くなってしまったようだった。
そして立花さんは、私をシャットアウトするように部屋のドアを閉めたのだった。