立花課長は今日も不機嫌
「だから、立花さんが人事から外されるって話ですよ」
「――どうして!?」
今度は私が入江くんに掴みかかる番だった。
それは聞き捨てならない。
「わっ、ちょっと、二人していったい何なんですかぁ」
両脇から私たちに責め立てられて、入江くんはタジタジという様子だ。
「いいから話しなさい」
もう一度沙月に凄まれた入江くんは、腰をかがめた状態のまま隣から椅子を引っ張ってきて座ったのだった。
「俺も詳しいことは知らないですよ? ただ、うちの社員の違反を見逃したとかで」
――え!?
それって……私のこと、だよね……?
問いかけるまでもない。
再び沙月と顔を見合わせると、沙月もピンと来たようだった。