立花課長は今日も不機嫌
そこでふと沙月と目が合った。
そして、何かを思いついたように目を光らせて、今度は入江くんを見る。
「入江くん、」
チョイチョイと、指先で入江くんを呼び寄せた。
「はい?」
「入江くんが内部情報を私たちに漏らしたことは黙っていてあげる。そのかわり……」
「ちょっ、何ですか!?」
入江くんが身構える。
一体、何を言い出すつもりだろう。
私も、沙月の顔をじっと見た。
「今の情報に限らず、立花さん関係のことは、些細なことでもいいからその同期くんから逐一仕入れて、私たちに報告すること」
「は!? そんなの無理ですよー」
大きく仰け反る。