立花課長は今日も不機嫌

「無理?」


沙月の目が鋭く光った。
こういう時の沙月は敵に回したくない。


「それじゃ、今の話を入江くんから聞いたって社内に触れ回ろうかな。そしたらどうなると思う?」


入江くんがゴクリと生唾を飲み込む。


「人事部の同期くんも入江くんも、この会社にいられなくなるかもよー?」


それはさすがに大袈裟すぎるとは思ったものの、入江くんには効果絶大だったらしい。


「わ、分かりました! 二人にきちんと報告しますから! だからお願いしますよぉ、黙っていてくださいよねぇ?」


ちょっぴり情けない顔で沙月にすがりついたのだった。


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