立花課長は今日も不機嫌
よほどの機密なのかと、少しばかりの緊張が走る。
「立花さん、内密に調べてることがあったらしいんです」
「……え? 立花さんが内偵?」
予想したものと違う方向性の話に、クエスチョンマークが飛び交う。
入江くんは頷いた。
「何だと思いますか?」
「……私にはさっぱり」
立花さんの内偵と私の服務規律違反が繋がっているようには到底思えない。
「不正です」
「不正。……誰の?」
入江くんの言葉を反芻してから質問を投げかける。
不正ということはお金絡みだろう。
それじゃ、経理部の人だろうか?
ーーまさか、私の副業も不正?