立花課長は今日も不機嫌

「……そうね」


そこでようやく目を合わせた二人。
しばらく黙ったまま見つめ合った後、霧子さんが私の方へ顔を向けた。


「元彼よ」


……え?
今、何て?

目を瞬かせて固まった私に、霧子さんはもう一度「元彼なの」と言ったのだった。


「えぇ!?」


驚くべき過去だった。
だって、良樹さんは……。

驚きに口を半開きにしたまま良樹さんを見ると、良樹さんはゆっくりと頷いた。


二人が……恋人同士だった……?


「振られたのよ、私」

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