立花課長は今日も不機嫌

「霧子さん、一つだけ聞いてもいいですか?」

「なぁに?」

「霧子さんがホステスになったのって、良樹さんとのことがあったからですか?」

「え!? 霧子ってば、ホステスやってるの!?」


私の質問に、良樹さんが機敏に反応する。


「もしかして、杏奈ちゃんと同じ店? あらやだ、バニーちゃんなの?」


自分の質問に自分で答えを見つけて、良樹さんが目を瞬かせた。


「そうよ。私がバニーちゃんじゃおかしい?」


ギムレットをグイと飲み干すと、良樹さんにお代わりをねだった。
やっといつもの調子の霧子さんに戻ったみたいだ。


「ううん、そんなことはないわ。霧子なら気高いウサギちゃんなんでしょうね」

「やぁね、やめてよ」


そう言って笑い合う。

< 273 / 412 >

この作品をシェア

pagetop