立花課長は今日も不機嫌
同じ考えにたどり着いた沙月の腕をむんずと掴む。
沙月はそれに頷いた。
「立花さんのことが目障りになったから、何か失態を起こすように仕掛けたんじゃない?」
「やっぱりそうだよね」
私の考えは、立花さんへの恋心からくる大きなブレじゃない。
「でも、不正の証拠がないんじゃどうもできないか」
「そうなんだよね……」
立花さんが勘付いていることを知っているなら、鳥塚専務だって尚更、証拠隠滅を図るだろう。
その立花さんが見つけられない以上、私たちには手も付けられない。
どうしたら暴けるのかなんて、考えもつかないのだった。