立花課長は今日も不機嫌
沙月の大きな目につい負けそうになったものの、なんとか踏ん張った。
そうしてしばらく見つめ合った後
「……分かったわよ。もういい」
勝利が確定した瞬間、細く長く息を吐き出した。
安堵の溜息だ。
沙月は心配性だから。
余計なことは話したくない。
「杏奈とは絶交する」
「えっ!?」
安心したのも束の間、沙月が小学生のようなことを言い出した。
「大事なことを話してもらえないようじゃ、友達でいたって仕方ない。私のことを信用してないってことでしょ?」
「――ち、違うってば。余計な心配をさせたくないだけなのっ」
「ほら、やっぱり」
沙月の目が光った。