立花課長は今日も不機嫌

反射的につい反論してしまうと、立花さんの目が見開かれた後シュッと細くなった。


「……だな。確かに俺もアホだ」

「あ、いえ、すみません……」


素直に認められてしまうと、かえって私の立場が悪くなるというか。
妙に居心地が悪い。

立花さんは無愛想で横柄でいてもらわないと、こっちのペースが崩れてしまう。


「でも、勘違いしないでくださいね。立花さんのためにやったことじゃありませんから」


本当は100%立花さんのために他ならない。
でも、そんなことを知らせたところで、負担に思われるだけ。


「私がアルバイトしていたことも絡んでいたから……だから、何とかしたかっただけです」

「……そうか」


立花さんは表情をフッと和らげると、自嘲気味に笑った。

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