立花課長は今日も不機嫌
……よかった。
「……大丈夫だ」
「よかったわぁ」
良樹さんがホッと胸を撫で下ろした。
ゆっくりと身体を起こし、立花さんが頭を振る。
「あっ、血……」
見れば、立花さんの腕から血が滲んでいた。
急いでバッグからハンカチを取り出し、傷口に当てる。
「これくらい何のことはない」
そうは言うけれど……。
私が触れただけで、立花さんが顔をしかめる。
「それにしても、今のは一体何なの!?」
車が走り去った方向を睨み付けながら、良樹さんが吐き捨てた。