立花課長は今日も不機嫌
「だって……」
私を庇ったがために、こんな目に遭ったのだから。
心配せずにはいられない。
「大丈夫だ」
ポンポンと頭に手が載せられる。
ハッとして見た立花さんの顔がいつになく優しいから、胸の奥がキュッと締めつけられた。
「佐伯の言う通りだったな」
「……何が……ですか?」
「岩瀬さんのことだ」
「岩瀬さん?」
何の話だろうかと首を傾げる。
「悪い人じゃないと、佐伯は言っただろう」
「あ、はい……」
「人を見る目には自信があったんだけどな」