立花課長は今日も不機嫌
「あの、立花さん……」
「なんだ」
「さっきのことなんですが……。良樹さんの言っていた通り、見当がついてるんですか?」
ここへ来るまでの間、ずっと引っ掛かっていたことを口にした。
立花さんの顔つきが一瞬で厳しいものへと変わる。
「……もしかして、鳥塚専務のことが関係していますか?」
それは、ほんのちょっとの疑惑だった。
私の質問に、立花さんは目を見開いた。
「察しがいいな」
――やっぱりそうなんだ。
「黙っておこうと思っていたが、佐伯がそこまで勘付いているのなら、隠す方がかえって不安を煽るだろう」
自分の考えていたことが正解だと分かって、さっきの恐怖が蘇る。