立花課長は今日も不機嫌
あれは単なる事故じゃない。
立花さんと私を狙ったものだったのだ。
そう悟ったことで、身体に震えが走る。
「大丈夫か?」
立花さんの腕がふわりと私を包み込んだ。
「……言わない方がよかったみたいだな」
「いえ……」
教えてくれなかったら、あれこれと余計に考え込んでいただろうから。
「巻き込んで悪かった」
立花さんの腕の中で首を横に振った。
巻き込まれてなんていない。
私からそこに飛び込んだのだから。
立花さんの腕の力がほんの少し強まった。
……あったかい。
温もりも、立花さんから伝わる鼓動も心地良くて、恐怖心が少しずつ消えていく。