立花課長は今日も不機嫌

できることなら、ずっとこの腕の中にいたい。

立花さんがこうしてくれているのは、私への罪悪感からなのかもしれない。
そこに、私が期待するような恋愛感情はないのかもしれない。

だからこそ、刹那的な今の瞬間がとても愛しくて、胸の奥が震える。


どのくらいそうしていたのか、立花さんがそっと私を引き離す。
咄嗟に立花さんのシャツを掴んだ私に、立花さんは柔らかく微笑んだ。

トクンと弾む鼓動。


「コーヒーでも淹れてくるよ」


ポンポンともう一度軽く私の頭に手を乗せ、立花さんはキッチンへと向かった。

一人残され、魂が抜けたようにボーっとなる。
一晩でいろんなことが起こりすぎて、頭の整理がつかなかった。

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