立花課長は今日も不機嫌

もしもさっきのが鳥塚専務だったのなら、あんな危険なことをするくらいなのだから、こっちから乗り込んで行ったら何をされるか分からない。


「俺はともかく、佐伯まで狙うとは、飛んだ逆恨みだ。会社に起訴されなかっただけでもありがたく思えばいいものを」

「でもっ」

「心配するな。無茶なことはしない。俺のことが信じられないか?」


そう聞かれてしまうと……


「……信じられます。……でも、信じられません」


複雑な思いを素直に口にすると


「チンプンカンプンだな」


立花さんはクスっと笑った。

立花さんのことは信じてる。
いつだって冷静沈着で品行方正。

紳士的な立花さんが暴力的なことをするとは思えない。

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