立花課長は今日も不機嫌

でも、曲がったことが嫌いな立花さんが、あんなことをした鳥塚専務を前にして冷静でいられるか……。


「とにかく心配するな。それより、シャワーでも浴びて来い。すぐに準備するから」

「――えっ」


シャ、シャワー!?

思わず大きな声を出してしまった。
心臓がひっくり返るかと思った。

シャワーの先を瞬時に勝手に妄想して、一人頬を熱くさせる。
すると、立ち上がりかけた立花さんは鼻を鳴らして笑った。


「勘違いするな。佐伯が今想像したようなことをするつもりはない」

「――っ」


頭の中を丸裸にされたようで、恥ずかしさが頂点に達する。
私の妄想を立花さんに否定されて、ホッとした反面、ガッカリしたのも事実。

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