立花課長は今日も不機嫌
「だ、大丈夫よ」
「そっか。なら良かった」
本当に心配してくれたらしい。
沙月は胸に手を当てて、大きく息を吐いた。
でも、その逮捕のおかげで、夕べは遅くまで警察で事情を聞かれた私。
そこには、立花さんはもちろん、良樹さんも岩瀬さんも呼ばれて、家に帰れたのは午前0時をとうに過ぎた頃だった。
その逮捕の模様が、小さい扱いながらも今朝のニュースとなって全国に流れたのだった。
沙月と一緒にロッカールームを出ると、ちょうど通りかかった立花さんが足を止める。
「私、先に行くね」
気を利かせたのか、そう囁いた沙月は私を残して立ち去った。
「……おはようございます」
「疲れてないか?」