立花課長は今日も不機嫌
両手で頬を覆って誤魔化そうとしたけれど、目にまで伝染して収拾がつかない。
……もうダメだ。
辛口コメントの後だけに、嬉しさは倍増。
ニヤニヤし通しの私の両手を、立花さんがおもむろに握る。
そのまま壁に両手首を縫い止められ、立花さんの真っ直ぐな眼差しが注がれた。
ひと際大きく高鳴った鼓動。
それは、鎮まるどころか急発進で加速していく。
ゆっくりと近づく立花さんの顔……。
「あ、あのっ、みんながいま――」
最後まで言えずに唇が塞がれた。
軽く触れるだけで離れると、恥ずかしさに目を逸らす。