立花課長は今日も不機嫌

「悪いが、みんなには帰ってもらおう」


私の手を引き、部屋へと戻り掛ける。


「えっ、あの……」


……あれ?
ついさっきまで騒がしかった部屋が、なぜか静まり返ってる。


おかしいな……。
そう思いつつ、立花さんに続いてドアから入ると――……。

もぬけの殻。
良樹さんも沙月も、入江くんも岩瀬さんも、誰もいなかったのだ。


「どこ行ったんだ?」


不審がる立花さんがテーブルのメモ書きを見つけた。

隣から覗き込むと――

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