立花課長は今日も不機嫌
強く引き寄せられて、立花さんの膝の上に座る格好になってしまった。
妙な密着体勢が、私の鼓動を煽る。
もう一度収まった立花さんの腕の中で、その先を想像して思考回路までショート寸前。
「た、立花さん、ちょっと待って……ください」
「今更何だ」
「……ひとつだけ聞いてもいいですか?」
腕の力が弱められて、立花さんが私の顔を覗き込む。
「何だ」
「鳥塚専務との決着って?」
「……今、その話が必要か?」
この急展開に一呼吸置くためにも、私には少し時間が必要だから。
激しく頷く。
立花さんは仕方ないとばかりに軽く息を吐くと、私を隣に座らせた。