立花課長は今日も不機嫌


厳しい印象しかなかった立花さんの優しさに触れるたびに、想いがどんどん膨らんでいった。

今、こうしている間にも、現在進行形で増えていく恋心。



“好き”が溢れて止まらない。



だからこそ……
触れ合う指先からお互いに感じる気持ちを素直に言葉にしたい。


「……立花さん、大好きです」


唇から漏れた言葉に、立花さんが微笑んだ。

これ以上ない極上の笑みに、胸の高鳴りが激しさを増す。


恋の神様なんてものを夢見る年頃なんかじゃないけれど、もしもそんな神様がいるのだとしたら

それがほんのちょっとしたいたずら心からだとしても、私に立花さんという恋の落とし穴を仕掛けてくれたことに心から感謝したい。

< 402 / 412 >

この作品をシェア

pagetop