立花課長は今日も不機嫌
立花さんに恋に落ちた瞬間のどれもが、この上なく愛しい――……。
そのひとつひとつを胸に刻み、立花さんを見つめる。
「ちょっと! 押さないでちょうだいっ!」
――!?
不意に聞こえた囁き声。
ドサっという物音に、立花さんがパッと身体を起こす。
私もつられてソファに起き上がった。
――みんな!?
帰ったんじゃなかったの――?
目を疑う光景。
そこにいたのは、ついさっき書き置きを残して消えたはずの良樹さんたちだった。
ドアの隙間からこっそり私たちを覗いていたらしい。
恥ずかしさが全身を包み込む。