立花課長は今日も不機嫌
【おまけ〜その2】
今度こそみんなが帰ると、立花さんはカギを掛けたドアを何度も入念に確かめた。
「……なんか、あれだな。今更な感じだな」
不満を滲ませて立花さんが呟く。
……確かにそうだよね。
もう一度気持ちを“そっち”に向けるには、何かきっかけでもないと……。
すっかりタイミングを逃してしまった私たち。
ふとそのとき、立花さんのお腹からキュルルルという音が聞こえてきた。
立花さんが照れくさそうに鼻の頭を掻く。
「何か食べませんか?」
何も食べずにウーロン茶だけだったはずだから、お腹だって空くだろう。
良樹さんたちが用意してくれた料理も、まだテーブルに残されたままだった。
「そうだな」