立花課長は今日も不機嫌
手帳の白紙のページを開き、ペンと一緒に立花さんに差し出す。
「何だ」
「お願いしたいことがあるんです」
「……お願い?」
立花さんが眉をひそめる。
「今から私が言う文字をここに書いていただけないかな……と……」
何のことかと立花さんは首を捻った。
それでも構わずに立花さんにペンを握らせる。
「いいですか? まずは、“あ”」
「“あ”?」
不審に思いながらも、立花さんが手帳に“あ”と書く。
「“い”」
「“い”?」
「……“し”」