立花課長は今日も不機嫌
……私はどうしようかな。
フロアをキョロキョロとしていると、同じウエイターから
「杏奈ちゃんは、とりあえずあそこのテーブルにでもついて」
コソッと耳打ちをされた。
ウエイターが指示したテーブルへ視線を向ける。
すると、それは男性の二人連れだった。
そのうちの一人は多分何度目かの男性客。
もう一人は、こちらに背を向けていて顔までは確認できなかった。
ヒールの音を響かせてテーブルのそばへと立つ。
「いらっしゃいませ、杏奈です」
頭を下げてゆっくりと起こした。
とそこで――……