立花課長は今日も不機嫌
ようやく見えたもう一人の男性の顔に
――嘘。
心臓がギクリと音を立てる。
立花さん……?
なんでこんなところに……?
そこにいたのは、私が勤める会社の人事部所属、立花海人(たちばな かいと)だったのだ。
つい数秒前までは単純作業の繰り返しのごとく通常運動をしていた私の心臓は、ありえないスピードで打ち始めていた。
――どうしよう。
こんなところで働いているのが見つかったら大変だ。
会社はクビ。
絶体絶命のピンチだ。
本当にどうしよう!