立花課長は今日も不機嫌
「ちょっと、何するのよ! 死ぬかと思ったじゃない!」
地団駄で猛抗議。
そんな仕草にも女性らしさが漂う。
「余計なことは言わなくていい」
「余計なこと? んもうっ、いつもいつも冷たいこと言うんだから。いいじゃないのよ、私たちは正真正銘の兄弟なんだから」
――やっぱり。
この良樹さんって人、立花さんと兄弟なんだ。
言われてみれば、どことなく似ている。
ついまじまじと二人を見比べてしまった。
「姉と弟と言った方が正しいかしらね」
「誰が姉だ。ったく」
立花さんが呆れ顔で捨て台詞を吐く。
そして、観念したのか
「兄貴だ」
ぶっきら棒に私に言ったのだった。