立花課長は今日も不機嫌
「……違うってば」
そんな相手、すぐに見つかるものじゃない。
「本当のことを言ってごらん?」
私の両肩を掴み、目を見開いてじっと見つめる。
本当は私に聞くまでもなく、全てお見通しなんじゃないかと思える眼差し。
これに弱いのだ。
数秒間見つめられただけで降参だった。
小さく息を吐く。
「実は立花さんに……」
ボソボソと口を動かす。
ロッカールームに誰もいないことを確認してから素直に白状したのだった。